年に何回か行われる定期考査。
テストは作るのも大変だし、終わった後の採点も大変だ…。
特に採点は、早さと正確さの両方が求められます。
生徒はテストが返ってくるのを楽しみにしているので、早く採点しないといけないです。
かといって焦って採点ミスがあれば、二度手間になってしまいます。
そこで今回は、これまで100回以上テストを作り、10000枚以上もの解答用紙と向き合っていた私の採点業務の流れとコツをご紹介します。
- テスト作成時にどんな工夫をしているのか
- テスト採点時にどんな工夫をしているのか
- テスト返却時にどんな工夫をしているのか
これらを知りたい人はぜひ読んでいってください。
テスト作成時の工夫
私は数学が専門だったので、数学のテストを例に話をします。
これが私が実際に作成したテストの例です。
数学のテストは基本的に記述問題が多く、それだけだと苦手な子が赤点をとってしまいます。
ですので、基礎の確認として答えだけの問題をいくつか出すようにしています。
- A3両面印刷
- 答えだけの問題は30点前後
- 解答用紙を工夫する
- 点数配分を工夫する
- (できれば)問題数は少なめにする
1つずつ解説していきます!
A3両面印刷
A3用紙に両面で印刷して収まる量にしています。
毎回同じ条件にすることで、生徒が解く時間配分もわかりますし、毎回悩むこともなくなります。
試験時間の半分が過ぎたからそろそろ裏面にいかないとな…。
なにより、印刷が1枚でいいのは本当に楽です。
国語や英語の先生はテスト前は印刷室に張り付きだったなあ…。
答えだけの問題は30点前後
もちろんすべて答えだけにすれば記述問題がなくなるので採点は楽になりますが、教科の特性上そうするわけにもいきません。
答えだけだと生徒が本当に理解しているのか、しっかり把握することができないからです。
試行錯誤を重ねた結果、答えのみの問題を30点前後にすれば、時間配分的にも平均点的にもちょうどいいことがわかりました。
出題範囲によって多少は変わりますよ!
点数配分を工夫する
私は両面印刷だったので、後で計算がしやすいように表と裏はそれぞれキリのいい点数にするようにしていました。
表50点、裏50点
表60点、裏40点
などです。
答えだけの問題はなるべく同じ点数が続くようにしていました。
1点、3点、1点、2点、3点
ではなく
1点、1点、2点、3点、3点
とした方が数え間違えが少なくなります。
ちなみに、ぜひとも解答用紙には問題ごとの配点が生徒にわかるようにしてください。
配点は書かない方が後で微調整ができますが、生徒のことを思うなら書いた方がいいです。
時間が残り少ないときに生徒は点数配分が高い問題を見極めて取り組むことができるからです。
答えが1つしかない問題をつくる
複雑な答えだったり、正解が何パターンもあったりすると、採点に時間がかかります。
採点する答案が少なければいいのですが、大概そういうわけにもいきません。
テストで出題する問題はできるだけ答えが1つしかないようなシンプルな問題にし、事前に採点の基準をはっきりさせておくことが大切です。
とはいっても、こういうのはテストをやった後に別解があることに気づくんだよね…。
問題数は少なめにする
当たり前ですが、問題の数が少ない方が採点の時間は短縮できます。
とはいえ、問題数を少なくしすぎて1問の配点が大きくなりすぎると、点数の振れ幅がとんでもないことになってしまうので調整をしましょう。
数学の定期テストに関しては、どれだけ高くても1問20点。
その20点も
(1)4点
(2)6点
(3)10点
みたいに小分けすることがおすすめです。
苦手な子でも、せめて(1)だけはできて欲しいなあ!
テスト採点時の工夫
ここが一番時間がかかるところです。
担当する生徒の人数が多いほど、採点にかかる時間は増えます。
だからこそ効率のいい採点をして時間短縮を目指しましょう。
高得点を取りそうな生徒から採点する
基本的には出席番号順に、問題ごとにまとめて丸付けをしていくのですが、一番最初は高得点を取りそうな生徒を採点すると良いです。
何となくですが自分が作成したテストの難易度が分かりますし、正しい答えを覚えやすくなるので採点のスピードが上がります。
模範解答が間違っているというミスにも気づきやすくなります。
ちなみに私は採点のときはこの赤ペンを使っています。
書き心地が他の赤ペンと違うということと、単純にやる気が出ますよ!
問題ごとに採点する
1人の生徒の解答用紙を最初から最後まで丸付けして、次の生徒…というように1人ずつ採点すると、答えを覚えられないので時間がかかります。
そうではなく、全員分の1問目を丸付けしたら、次は2問目…、というように問題ごとに区切って採点するのがおすすめです。
解答が頭に入っていると、1問ごとに模範解答の方に目を向けなくても採点ができるので、確実に作業スピードは上がります。
なおかつ途中で採点基準がブレることもありません。
とはいえ本当に1問ずつ採点していると、紙をめくる回数が多すぎて疲れるので、大きく大問ごとに区切るくらいがちょうどいいです。
自分が答えを覚えられる範囲で、まとめて採点をしよう。
合計点の計算は最後にする
丸付け→点数計算→丸付け→点数計算→…
のように交互に行うのは時間がかかります。
- まず全員分の丸付けを終える
- その後に大問(点)ごとに集計
- そして最後に得点(100点満点)の計算
というように、まとめて同じ作業は行うとよいです。
△の中に点数を書く
記述の解答の場合、途中までの過程が合って入れば△(部分点)を付けることがあります。
その際は△の中に何点付与するかを記載しておくと最後の集計が楽になります。
生徒にとっても合計点数が分かりやすくて親切です。
空欄解答には/を付ける
生徒の解答が間違っている時は✓ですが、解答欄が空欄の場合は/を付けるようにします。
✗でもいいのですが、/の方が画数が少ないので時短につながります。
どちらでもいいのですが、何かマークを残すことで返却後に正しい答えを書き込むことができないようにします。
不正行為は未然に防ぐ!!
テストを返却する前に生徒に
空欄は「/」をつけています。
など、説明をしておくとなおGOODです。
間違っている箇所に印を付ける
例えば生徒の解答で、答えが「10」のところを「100」と書いてしまった、というミスがあった場合、私は100の一番右の0に下線を引きます。
どこが間違っているから✗にしたのかを明確に示すことで、テスト返却後に正当に書き直すという不正行為も防げます。
採点のポイントを決める
事前に採点のポイントを決めておくことで、採点の際に迷うことを減らすことができます。
採点のポイントを明確にしておくことで、採点が早くなるだけでなく、公平な採点ができるようになります。
集中して取り組める時間、場所で採点する
職員室の机で採点していると、大抵誰かに話しかけられて気が散っていまいます。
「採点するぞ!」と決めたら誰もいない教室や会議室にこもって、集中して取り組んだ方が早く進められます。
テスト返却時の工夫
注意事項や説明は配る前にする
生徒は早く自分のテストを返してほしくてたまりません。そんな生徒にテストを返したら、教室はしばらく大騒ぎになります。
その中でこちらが指示を出しても、聞いてくれるはずがありません。
テストを返す前に、
- 問題の配点
- 解答の訂正(あれば)
- 筆箱や教科書をしまう
これらは先に言っておきましょう。
逆に以下のことは、返却して落ち着かせた後に話せばいいことだと思います。
- 間違いが多かった問題
- よくできた問題
- 最高点(言わなくてもいい)
- 平均点
- 追試の案内
平均点に関してはどちらでもいいのですが、先に言うとより大騒ぎになります笑
机の上は赤ペンと解答のみ
生徒にテストを返却した後、しばらく採点ミスがないかチェックの時間があります。
その時間は教科書やノートを見て見直しをする時間ではないですし、赤ペン以外のペンがあると不正行為を疑ってしまうことにもつながります。
全員が採点ミスがないかを確認し終わるまでは、机の上は赤ペンと解答のみにしましょう。
筆箱も片付けさせます!!
- 教室に入る
- 教室に入る
- 解答を配る
- 配点や訂正を言う
- 「赤ペンと解答以外はしまって下さい。全員が採点ミスがないかを確認し終わるまでは出さないで下さい。」と言う
- 番号順に返す
- 「訂正があれば前に来て下さい。」と言う
- チェックが終わったら「では締め切ります。筆箱を出してもいいですよ。」と言う
- 間違いが多かった問題、平均点などを話をする
まとめ
採点業務は早く正確に!
私はこの方法で5年間問題もなくテストの採点業務を行うことができました。
人によってやりやすさに違いはあるかと思うので、少しでも採点の時間が減らせるように、ベストな方法を見つけてください。
授業についてのコツはこちらの記事をご覧ください。
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