授業にOneNoteを取り入れる方法【教員必見】

コロナウイルスの影響で休校になったり学級閉鎖になったりしたことで、タブレットPCや生徒のスマートフォンを利用した活動が多く行われてきました。

各教室に備え付けのプロジェクターと黒板に貼れるタイプのスクリーンが常設されている学校も増えてきています。

今回はその中で私が授業の中で特に利用したOneNoteを利用した授業の活用法について紹介します。

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目次

授業方法の概要

生徒に配布したプリントのPDFをOneNoteに貼り付けて、授業ではタブレットからOneNoteを開き、スクリーンに映して直接書き込んでいきます。

PDFをOneNoteに貼り付ける方法

  1. メニューバーの「挿入」から「印刷イメージ」を選ぶ。
  2. 貼り付けたいPDFファイルを選択する。

授業で使用したOneNoteのデータをPDFにする方法

授業で使用したOneNoteのデータをPDFにする方法
  1. 印刷したいページを開き、右上の「…」から「印刷」を選ぶ。
  2. プリンタは「Microsoft Print to PDF」を選択。
  3. 「その他の設定」で使用した用紙よりも大きいサイズを選択。(生徒に配布した用紙がB4ならA3の横向きで印刷すると丁度いい)
  4. 「印刷」ボタンを押せばPDFファイルが作成される。

作成したPDFファイルは、ロイロノートを通して送るか、GoogleDriveのフォルダに入れ、リンクのURLをQRコードにしたものを生徒に渡しています。

そうすることで欠席したり、授業の時間で書ききれなかったりした生徒の復習に役立てることができます。

意見

メリット・デメリット

教員の立場から考えるメリット

  • OneNote上に書いた記録が残るので、クラスごとのセクション、プリントごとのページを用意しておける。管理がしやすく授業の進行状況を忘れない。
  • 授業を効率よく進められる。
  • 黒板よりもペンの太さやマーカーの色が豊富にある。

教員の立場から考えるデメリット

  • 用意するプリントの準備が大変。
  • 毎授業の前に機材のセッティングを行うのが大変。
  • 授業中にペンの電池が切れる、タブレットの充電がされていなかったなどのアクシデントがある。

生徒の意見より

授業を担当している3年生4クラス、約140名にアンケートをとりました。アンケートをとった生徒は1年生のときからこの方法の授業を知っている生徒です。

生徒が感じる、スクリーンを使うメリット

✔ どこの問題のどこを解説しているのかわかりやすい。

✔ 自分も先生と同じようにプリントに書き込める。

✔ いつでも何が書いてあったかわかる。(黒板だと消してしまうから。)

✔ グラフとか図形が黒板に手で書くよりめちゃくちゃ綺麗!

✔ ノートの書く量が減って楽になる。

✔ 復習する時とか休んだ時にすぐに追いつける。

✔ 丸とか形が綺麗になったりペンの種類とかたくさんあったりするから黒板より見やすい。

✔ 全部をプリントにうつさなくてもいいから話が聞きやすくてわかりやすい。

✔ 先生が図書く時間とか省けていい👍🏻🌟”

✔ 効率が良さそう、チョークの節約、黒板消さなくてもいい。

✔ 黒板の黄色の線よりスクリーンの太いマーカーの方がわかりやすい。

✔ 自分のプリントと対応していてどう進んでいるかわかりやすい。(多数意見)

✔ 授業の中で黒板を消すことがないから、授業時間が削られない。(多数意見)

✔ 黒板を消すと最前列の人にチョークの粉が飛んでくるのでそれがなくなって快適になった。

✔ 色が黒板より見やすいし、今どこの問題を解説しているかがわかりやすい!

✔ 図形やグラフとかはスクリーンの方が見やすい。(多数意見)

✔ 他の授業と違う点において特別感を感じられるので何があっても寝ない。(眠くならない)

✔ 板書が多くなくて考える時間が増える。

✔ 文字を拡大したりできるから見やすくて同じプリントをやっているので同じペースで出来る。

生徒が感じる、スクリーンを使うデメリット

✗ うつしそびれたときに戻って見ることができない。(多数意見)

✗ 教室が暗くなる。

✗ 後ろの席だと日によって、スクリーンが薄すぎて見えないことがある。(多数意見)

✗ 文字が小さくなって読みにくい。

✗ 先生が書き込みにくそう。

✗ 先生が前に立つと見えない。

✗ プリント全体が見えない。

✗ 早くて理解できない時もある。

✗ 端の席だと見づらい。

✗ 不具合などで時間がかかることがある、準備が必要。

✗ スクリーンの画面が小さいから早く書きとる必要が出てくる。

考察と今後の課題

 生徒の意見を見て、黒板よりもスクリーンを用いた授業の方がよいという意見が多かったです。

特に多かった意見が、「目の前にあるプリントと同じものが画面に映し出されているから、どこの話をしているのかがわかりやすい」という意見です。

授業の時間はなるべく考える時間を増やしたいし、説明をしているときも「今どこの話をしているんだ?」などの余計なことに時間を取らせたくないので、その点ではよいと感じています。

一方でスクリーンに映し出すという都合上、座っている位置によっては見にくかったり、一度に映し出せる画面が小さいので、全体の見通しが立てづらかったりするというのも事実です。

そういう点では黒板の方が一度に書ける量も多いので、見やすいし、後から見返しやすい(消すまでは)。単元や扱う問題に応じて黒板とスクリーンを使い分ける、もしくは併用する方法が現段階ではよいと考えています。

プリントの準備も大変ですが、必ずしもプリントを用意する必要はなく、生徒にはノートを使わせてスクリーンを電子黒板代わりに使ってもよいと思います。黒板よりも色がはっきりしているし、図の表現もわかりやすいです。

機材の準備は確かに大変ですが、私がこの方法で授業を行うようになった頃と比べると、教室にプロジェクターとスクリーンが常設になったり、教室を暗くできるように遮光カーテンが各教室に備え付けられたりなど、年々ICT機器を授業で取り入れるハードルは低くなっています。

数学の授業において特に便利だと感じたのは、データの分析で分散や共分散を求めるときに表を書く手間が省けたり、ベクトルの序盤の作図の授業が進めやすかったりしたことです。

全般的には教科書レベルの問題で、たくさん計算するというよりも考える時間を多くとりたいときは今回の方法が有効です。

一方で、式と計算(数Ⅰ)、式と証明(数Ⅱ)、指数対数(数Ⅱ)、微分積分(数Ⅲ)、課外で入試問題を解くときなど、ひたすら計算がメインの場面ではスクリーンに映し出しても結局計算ばかりを書いて、黒板と差別化ができていないと感じました。

おわりに

 ICT機器を利用することで図を用いた説明のときに一から黒板に書かなくてもよくなったり、解答の配布を紙で印刷しなくてもPDFで送ることができたりなど、便利になったことが増えました。

一方でプロジェクターを設置する場合は毎回授業の前に準備しなければいけないなどの手間もあります。

今回紹介した以外にも、タブレットPCや電子黒板などの機材、ロイロノートGoogleClassroomなどのサービスなどを利用して、今までよりも授業の方法の幅は大きく広がっている。既に他教科でも多くの実践がされています。

このような機器やサービスを使うことが目的ではなく、生徒にとって授業の内容が理解しやすくなったり、復習がしやすくなったりするための手段として、今後もその活用方法を調べて実践していきたいです。

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