高校進学にあたり、中学3年生とその両親の皆様はどのような基準で進路選択を行うべきでしょうか。
本記事では、進学校を選ぶ際のポイントを中心に、私が実際に関わった高校生が語った失敗例や良かった点も含め、様々な観点から紹介しています。
学校の雰囲気や校則、そして大学進学や就職につながる進路実績など、具体的な事例を交えながら考慮すべき点を解説しております。
本記事を読むことで、皆様の高校選びに役立つ情報を得られることと思います。
- どんな高校に進学したらいいかわからない中学3年生
- 子どもの進学先で何を重視していいかわからない親御さん
- 偏差値、家からの距離だけで決めていいのか不安な親子
偏差値
偏差値は学校の学力レベルを把握するための指標です。
学校選びをする際、まず最初に気にする最初の要素ではないでしょうか。
自分の学力や目標に合わせて、バランスの取れた学校を選ぶことが大切です。
そして目標の高校に進学するためには、中学校での内申点が重要になります。
高校入試では、当日のテストの点数と同じくらい、内申も重要視されています。
基本的には
- 提出物をきちんと出す
- 授業中に積極的に発言する
- テストでいい点数をとる
こうすることで内申点は稼ぎやすいですが、忘れてはいけないのは、内申を付ける基準は中学校ごとに違うということです。
〇〇中学校は内申の基準が甘いよね
うちの学校は内申が厳しくてさ…
生徒同士の会話でよく耳にしました。
生徒の主観なのですべてが正しいとは言い切れませんが、よくよく考えれば基準の差が出るのは当たり前のことです。
内申点は担当している中学校の先生がそれぞれ付けているので、学校ごとにどうしても基準に差が出てしまうものです。
私は高校で5年間生徒を見てきましたが、確かに中学校での内申が高い=テストの成績がいい、とは必ずしも言えません。
ある中学校で内申点が40以上あった生徒よりも、別の中学校で内申が30ちょっとしかなかった生徒の方が実力がある、なんてことはよくあります。
ですので生徒の皆さんは内申点で自分の実力を判断するのではなく、目標とする高校の授業スピード、カリキュラムが自分にあっているかどうか、そして外部の模擬試験で自分の実力を客観的に見ることが求められます。
学力以上の内申を与えられて、その内申に見合う学校に進学できたとしても、授業スピードや内容についていけず、落ちぶれてしまったり、不登校になってしまう生徒は残念ながら一定数います。
もし調べても自分がその高校でついていけるかわからない場合は、中学校の先生や塾の先生に、自分と同じくらいの実力の先輩が高校でどこまでついていけているのかを確認するとよいでしょう。
自分の実力を把握し、自身の実力や将来の進路に合わせた選択をしましょう。
最終的には高校入学後もサボることなく勉強し続けることが大前提です。
家からの近さ
家からの近さは、通学の負担や時間を考慮する重要な要素です。
通学時間が長いと疲労感やストレスが増えることもありますので、強いこだわりがないのならばできるだけ近い学校を選ぶことを検討しましょう。
また、交通アクセスや通学手段の便利さも確認し、スムーズな通学を実現できるかも重要なポイントです。
部活をするなら土日も学校に行くかもしれないから、なおさら近い方がいいよね…。
- 中学校での人間関係に悩んでいて、なるべく知っている人が少ない学校がいい
- 電車通学に憧れている
これらの場合は、遠い学校を検討しましょう。
授業のカリキュラム
進学したい高校は自分が納得できるような学習カリキュラムが整っているか確認することは重要です。
正直ここまで確認してくる中学生は少ないですが、授業は学校生活の中で最も重要、かつ時間を使うところなので、しっかりと確認しましょう。
中学校とは違い、高校は学校ごとでカリキュラムが全然違うものです。
- どんな授業があるのか
- 特定の授業は何年生で行われるのか
- 選択授業はあるのか
- 文理選択は何年生から行うのか
- 応用クラス、授業など、実力に応じた指導をしているのか
教育課程表は学校のホームページに載っているので、確認しましょう。
自分の興味や将来の進路に合った教育方針や特色あるプログラムを持つ学校を選ぶことで、より充実した学びを得ることができます。
自分が学びたい分野や将来の目標に合致するカリキュラムを重視しましょう。
進学実績
進学実績は、大学進学や就職への道筋を考える上で参考になる要素です。
進学したい高校の先輩たちがどんな進学実績を残しているのかを確認することで、自分の3年後をイメージしやすくなります。
特に高校卒業後に就職を考えている人は、進学したい高校にどんな求人が来ているのか、卒業生の就職先を見て確認することができます。
各学校の進路指導やサポート体制がしっかりしているか、進学先や就職先の実績が豊富かを確認しましょう。
将来の進路において安心感を持てる学校を選ぶことが重要です。
高校選択は親や先生の意見を参考に、最終的に自分が決めることです。
自分が決めたことに後で不満をこぼさないで済むように、最適な選択をしましょう。
校則
5年間高校で教員として働きましたが、生徒がよくこんなことを言っていました。
なんでうちの学校はバイトしたらいけないの?
なんで化粧しちゃだめなの?
校則は学校の規律や生活習慣を決めるためのルールです。
自分の性格やライフスタイルに合致した校則を重視し、自分自身が快適に過ごせる環境を選びましょう。
校則が厳しすぎる学校では自由度が制約されることも考えられます。
一方でルールがしっかりと守られている学校は、生徒同士の安全や学習環境の良さを保つことができます。
自分の性格や価値観に合致する校則を重視し、学校生活を充実させるためにも慎重に選びましょう。
- アルバイトをしていいのか
- 頭髪はどこまで厳しいのか
- 化粧は認められているのか
- 通学カバンの指定は?
- 防寒具の指定は?
- 校内のスマホの扱いは?
- 学校行事でスマホは使ってもいい?
気になることはたくさんあるでしょう。
私個人としては、入学した学校のルールに文句を言うくらいなら、文句を言わなくて済む学校に行けばよかったのに…、と考えます。
アルバイトがしたいと思っているのに、アルバイトが禁止されている学校に行って文句を言っているのは意味がわかりません。
学校に黙ってアルバイトをして万が一見つかったら特別指導になり、自身の進路選択に大きな悪影響をもたらします。
そこまでのリスクを背負ってでも働きたいのなら、最初から認められている高校に行けばいいだけの話です。
しかし、校則をしっかりとホームページに載せている学校は少ないと思います。
ですので、在籍している先輩に聞くのが一番手っ取り早いです。
行事
行事は、学校のイベントやクラブ活動の充実度を確かめるポイントです。
自分の興味や才能に合った活動が充実している学校は、充実した学校生活を送ることができます。
学校の雰囲気や人間関係の形成にも影響を与えるため、自分の関心や将来の目標に合致する行事や活動が豊富な学校を選ぶことが重要です。
学校行事にどれだけ力を入れているのかも学校ごとで大きく異なります。
年に数回しかないイベントでしっかりと思い出を作りたいと思っている人はよく調べましょう。
2学期が始まってすぐに文化祭があるのに8月の後半までまったく動き出さない高校もあれば、4月から学校全体で生徒が主体となって考え抜いて本番を迎えるような高校もあります。
校舎
校舎の清潔さや設備の整備度は、学習環境に直結する重要な要素です。
校舎がきれいで整頓されている学校は、学習意欲の向上や快適な学びを促すことができます。
設備面にも注目して、学習環境の充実度を確かめましょう。
歴史のある学校は伝統はありますが、校舎が古いことが多いです。
建て替えていればいいのですが、どちらかといえば新しい方がいいですよね。
設備
最新の教育設備や教材が整っている学校は、より充実した学習体験を提供してくれるでしょう。
- 教室にプロジェクターはあるのか
- 購買では何が売っているか
- 自販機の種類は豊富なのか
- トイレは洋式?
ささいなことですが、3年間生活をする場所なので、こういうところにもこだわる生徒は多いです。
学校説明会に参加したときに校内の様子を確認することがおすすめです。
まとめ
以上が、高校進学における基準となるポイントです。
中学3年生とその両親の皆様は、これらの要素を総合的に考慮し、自分自身の目標や将来の進路に合った最適な高校を選ぶことが重要です。
この記事を参考にして、皆様の高校選びに役立つ情報を得ていただければ幸いです。